スマートCNCピザカッター “iPizza” のご紹介
はじめに
2018年8月4日と5日の2日間に渡って、Maker Faire Tokyo 2018が東京ビッグサイトにて開催されました。Maker Faire Tokyoは、サンフランシスコ発のMakerムーブメントの、日本における最大の発信地です。2018年には、昨年よりも約150組多い約600組の出展者が集まりました。2017年には、およそ2万人が来場しています。
そこで我々NITMakersが初めて発表した作品が、スマートCNCピザカッター “iPizza”です。
iPizzaとは
「ピザを切るのに、より賢い方法で」ピザを5人や7人でちゃんと切り分けたい! と思ったことはありませんか? そんな悩みを、スマートCNCピザカッター “iPizza” が解決します。グーグルホームを使った音声認識でスマートに簡単操作。画像認識と独自開発のCNC機構で正確にピザをカットします。時代はIoT。ピザを切るのにもネットワークに接続し、コンピュータの許可を必要とする時代になりました…「手で切れば?」は禁句です。
スマートCNCピザカッター”iPizza”は、全自動でピザを指定された枚数にカットするマシンです。Google Homeを使って命令すると、上部から撮影した画像を元にピザの中心座標を計算し、ピザカッターをCNCマシンのように動かすことでピザをカットします。iPizzaを使えば、ピザを奇数枚に切り分けることもできます。
iPizzaの技術
通常のピザカッターがX, Y, Z (Z軸は2段階)方向に移動し、さらにピザカッターが回転することでカットを行います↓
iPizzaは上部から撮影した画像からピザの外形を取得し、その重心を求めることで中心座標を計算します。その座標を元にして、切り分ける数に従ったピザカッターの軌道を用意します。座標計算と言っても,簡単な三角関数で成り立っています↓
iPizzaのシステムにはRaspberry Pi 3をはじめ、I/Oを制御するためのマイコンにSTM32 Nucleo F303K8 (Mbed-enabled)を、ステッピングモータドライバにA4988互換ICを用いています。Raspberry Pi 3にはUVC対応Webカメラが接続されていて、そのカメラからピザの画像を取得します。
システム全体の流れは以下のようになっています。
ソフトウェアには、Google HomeのためにGoogle Assistant APIを、画像認識のためにOpenCV + Pythonを、I/O制御のためにMbed OS 2+C++を用いています。
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